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2020/03/03

2019年業績

令和1年度(2019年) 舞鶴医療センター小児科業績

発表
1. Takuyo Kanayama, Mitsuru Miyachi, Shigeki Yagyu, Ken Kikuchi, Kunihiko Tsuchiaya, Tomoko Iehara, Hajime Hosoi. Reduced B7-H3 expression by PAX3-FOXO1 knockdown inhibits cellular motility and promotes myogenic differentiation in alveolar rhabdomyosarcoma. 第61回日本小児血液・がん学会学術集会 令和1年11月14日 於広島
2. 鶴川 慎一郎, 松村 うつき, 瑞木 匡, 小松 博史. 気管挿管直後に洞調律に回復した新生児心房粗動の1例. 第64回新生児成育医学会学術集会 2019年10月27-29日 鹿児島
3. 鶴川 慎一郎, 内藤 優樹, 松村 うつき, 北村 一将, 金山 拓誉, 瑞木 匡, 小松 博史. 先天性白内障, 先天性水頭症,筋緊張低下を伴う超低出生体重児の未診断例. 第33回京滋新生児成育研究会 2020年2月1日 京都
4. 瑞木 匡、山野 暁生、友安 千紘、小松 博史. High PEEPが解剖学的死腔量に与える影響について.第55回日本周産期新生児医学会学術集会 2019年7月13日-15日
5. 山野 暁生、瑞木 匡、友安 千紘、小松 博史. 新生児遷延性肺高血圧症におけるAVDSFの有用性.第55回日本周産期新生児医学会学術集会 2019年7月13日-15日
6. 山野 暁生、瑞木 匡、小松 博史.新生児遷延性肺高血圧症の診断におけるAVDSfの有用性.第64回新生児成育医学会学術集会 2019年10月27-29日 鹿児島
7. 松村 うつき, 鶴川 慎一郎, 瑞木 匡, 小松 博史.母体の電解質異常による偽性Bartter症候群と診断した正期産児例.第64回新生児成育医学会学術集会 2019年10月27-29日 鹿児島
8. 瑞木 匡, 鶴川 慎一郎,松村 うつき,小松 博史. NICUにおけるOxygen Saturation Index(OSI)の有用性について.第64回新生児成育医学会学術集会 2019年10月27-29日 鹿児島
9. 北村 一将, 内藤 優樹, 鶴川 慎一郎,松村 うつき, 金山 拓誉, 瑞木 匡, 小松 博史.発熱・哺乳不良を主訴とした腸重積症の4ヶ月男児例.第443回日本小児科学会京都地方会学術集会 2019年12月8日 京都
10. 内藤 優樹, 大前 禎毅, 長村 敏夫, 藤井 法子. 急性小脳失調症(ACA)の初期治療方針に関する自験例4例の検討.第61回日本小児神経学会学術集会 2019年5月31日-6月2日 名古屋
11. 小松博史.「インフルエンザ院内流行調査 第1報」 第9回北近畿感染症研究会 平成31年3月9日  福知山

講演
1. 小松博史.「乳幼児利用施設の感染症対策の実践的ポイント」 令和元年度感染症予防対策研修会(乳幼児利用施設職員対象) 令和元年11月5日 於舞鶴 中丹東保健所
2. 小松博史.「学校検尿における注意点と専門医への紹介のポイント」 令和元年度京都府医師会北部学校医研修会 令和元年12月14日 於舞鶴 舞鶴メディカルセンタ


原著
1. Hiroshi Komatsu, Takeshi Goda, Kandai Nozu. De novo X-linked Alport syndrome in a 3-year-old girl. BMJ Case Reports Jul 2019, 12 (7) e230183; DOI: 10.1136/bcr-2019-230183
2. Zuiki M, Yamano A, Kitamura K, Goda T, Oya S, Komatsu H. Ventilated Infants Have Increased Dead Space and Lower Alveolar Tidal Volumes during the Early versus Recovery Phase of Respiratory Distress. Neonatology. 2019 Dec 11:1-4.
3. Naito Y, Mori J, Tazoe J, Tomida A, Yagyu S, Nakjima H, Iehara T, Tatsuzawa K, Mukai T, Hosoi H. Pituitary apoplexy after cardiac surgery in a 14-year-old girl with Carney complex: a case report. Endocr J. 2019 Dec 25;66(12):1117-1123. Doi:
4. 瀧上絵里香, 瑞木匡, 秋岡親司, 糸井利幸, 在田貴裕, 沼沙織, 加藤則人, 細井創.アトピー性皮膚炎, 喘息発症後, 5年以上を経て診断した無症候性心筋障害合併の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の小児例.アレルギー 68(6): 696-700, 2019.
5. 松村うつき,大内一孝,瀬野真文,浅妻正道,田浦喜裕,小田部修,伊藤陽里.Lamotrigine多量内服による急性中毒として遷延する意識障害と悪性症候群が疑われた一例.京都医学会雑誌 66(2): 67-70, 2019.
6. 三野耕平,松村うつき,田中誠治,末松正也,森田高史,伊藤陽里.Respiratory syncytial virus感染が重症化した重症心身障害9歳男児例.京都医学会雑誌 66(2): 71-74, 2019.
7. 浅妻正道,大内一孝,松村うつき,田浦喜裕,森田高史,小田部修,伊藤陽里,藤田直久.SEA産生メチシリン感受性黄色ブドウ球菌によるprobable toxic shock syndromeの1例.小児感染免疫 31(3): 287-292, 2019.
8. 田中誠治,三野耕平,松村うつき,末松正也,森田高史,伊藤陽里.トリアムシノロンアセトニド製剤皮下注でアナフィラキシーを生じた通年性アレルギー性鼻炎の一例.京都医学会雑誌 66(1): 133-136, 2019.
2020/03/03

何気なくデマを拡散することがないように

ネットの世界は本当に玉石混淆です。情報に踊らされないようにしなければいけません。
特に今回のような感染症の問題では、医療従事者が発する情報は想像以上に重大な結果をもたらすことがあり得ます。
「○○病院の看護師の□●さんが、言ってたんやけど―」みたいな何の根拠もない一見たわいのない発信も、情報だけが独り歩きして、混乱をもたらします。

医療従事者である以上、情報源を確認し、しっかり判断し、それが発信された後のことまで考えて対応すべきです。

次のブログが良く書かれています。原文の一部です。
新型コロナのデマ対策で注意するべき、善意の拡散と事実化のリスク
徳力基彦 | ブロガー/noteプロデューサー

■情報を受け取ったときに持つべき4つの疑問
情報リテラシーの専門家として、インターネットメディア協会でもメディアリテラシー部門の理事をされている下村氏によると、情報を受け取ったときに持つべき4つの疑問があると言います。
1:結論を「ソクダンするな」
2:ゴッチャにして「ウのみするな」
3:一つの見方に「カタよるな」
4:スポットライトの「ナカだけ見るな」
聞くと当然だなと思う話かもしれませんが、情報が錯綜している今だからこそ、こうした原点に回帰することが大事でしょう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20200229-00165194/

医療従事者の皆さん。こんな時だからこそ賢明かつ懸命に行動しましょう。

2020.3.3小松
2020/02/19

ダイヤモンドプリンセス号がやばい

今回の新型コロナウイルス感染の流行に関して大変心配している部分が多い。
2009年のいわゆる新型インフルエンザに比べてもその対応のまずさは目に余るものがあります。

前回私は「正しく怖れることの難しさ」の中で理想論として一定期間隔離しておいた方が良いのでは述べました。
実際そうなったかのように見えてましたが、初日から心配していました。というのは下船は許されなかったものの船内ではパーティーなどが開かれていたとのことを知って、愕然としました。
あり得ない!!と。乗客の気持ちを慰めようとしたのでしょうが、これでは感染を拡げる場をわざわざ作っているようなものだと。

その後船内での感染は終息に向かうどころか、感染者は日増しに増えるばかりで、いったい何がどうなっているのかわからないし、感染対策は傍目に見ても全然機能していないことは明らかです。

最大の問題はダイアモンドプリンセス号での感染対策を仕切っているトップが全く見えないということであり、その人が正確な情報発信を全くしていないということです。厚生労働大臣ではなく、現場のトップがそれをしなければいけません。

そんな中ついに岩田健太郎先生が発信してくれました。
岩田健太郎先生は言わずと知れた感染対策のプロで、現場を熟知されておられる先生です。
是非岩田健太郎先生の発信を見てください。

ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機。なぜ船に入って一日で追い出されたのか。
https://www.youtube.com/watch?v=W3X3RSmf7ds

2010.02.19 小松
2020/02/05

「正しく怖れる」ことの難しさ

新型コロナウイルス感染症を考えるポイント

中国武漢市発の新型コロナウイルス感染症が頻繁に報道されています。正直医師から見ればどうでもいいようなことが不安を煽る画像やバックグラウンドミュージックと共に報道され続けています。ニュースの最後には「むやみに恐れる必要はありません。正しく恐れましょう。」と言う一言が決まり文句になっています。
しかし考えてみれば「正しく怖れる」とはどういうことでしょう?少し脱線しますが、「正しく恐れる」というフレーズはそもそも誰が言い始めたのだろうかと気になって調べてみました。出典は寺田寅彦が昭和10年に執筆した「小爆発二件」と題する随筆(岩波文庫の「寺田寅彦随筆集 第五巻」所収)でした。これは浅間山の爆発に関する記述の中で「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」とあるのが出典のようです。寺田寅彦は私と同じ高知県の出身で、しかも母と同じ高知県尋常中学校(現・高知県立高知追手前高等学校)の卒業生でもあります。「天災は忘れたころにやってくる」というのも寺田寅彦の言葉とされています。また『吾輩は猫である』の水島寒月や『三四郎』の野々宮宗八のモデルとも言われています。私も中学校の頃寺田寅彦のことを学んだ記憶がありますが、もう残念ながら忘却の彼方となってしまいました。文脈からは「正しく怖れ」ないといけないと言っているのではなく、「正当にこわがる」ことの難しさを言っているように読めます。また「正しく」と「正当に」とはややベクトルが異なっているように思われます。つまり「正しく怖れる」というと「そんなにむやみに怖れることはない」と言っているようで、「正当にこわがる」というと「甘く見てはいけません」と言っているように思います。しかし言葉と言うのは時代とともに変化していくものであってそれはそれで良いのかも知れません。これは個人的な見解かも知れないのですが、目に見えないもの、例えば今回のウイルスや放射線などは不安や恐怖を煽ることになり、目に見えるものは甘く見がちになるような気もします。
どちらにせよ危険性(リスク)を正確に評価して、それに合致するように「怖れ」ることが重要だと思います。それには漠然としたリスクではなく、評価できる具体的なリスク項目に分けて考えること、そしてそのリスクはゼロかイチかではなく層別化して評価しなければいけないと考えます。

感染症は、三つの要素によって成り立っています。それは病原微生物、宿主、そして感染経路です。例えば病原微生物の特性に絡んでよく出てくるのは基本再生産数(R0:アールノート、一人に患者さんが何人にうつすかという数字)や致死率などです。今回の新型コロナウイルスのR0は2~3とされていますが、実はこれはどんな状況でも同じものではなくて現在の武漢市を中心にした中国ではこの数字であるということです。わかりやすく言うと多くの人が密集する例えば満員電車の車内とか集会ではそうかもしれないけれど、接触レベルの高くない環境ではもっともっと低いかも知れないわけです。致死率は今の所2~3%とされていますが、これも今は分母になっている感染者数が重症者や入院者しか検査していないからだと思われます。軽症者も調べるようになると分母が大きくなってくると当然致死率は下がっていきます。またこれは宿主(言い方がきついですが要するにヒト)のもともとからの健康状態や基礎疾患の有無にも影響されます。同じような現象は実は2009年に流行した「新型」インフルエンザの時にも見られました。簡易検査キットが普及し、医療アクセスの非常に良い日本では検査を受けて陽性となった人数が非常に多く、結果として他国に比べて致死率が低かったわけです。日本のインフルエンザ診療が優れていたためだと諸手をあげて喜ぶのは安易過ぎます。数字のマジックですね。
宿主であるヒトのリスク評価も考えてみましょう。もちろん健康状態や基礎疾患の有無は大事な評価項目です。今現在わかっていることは高齢者や基礎疾患を持っている人は重症化しやすいということですが、これってインフルエンザも同じですね。一部では子どもはかかりにくいとか重症化しにくいとか言われていますが、ただこれも今後患者数が増えてくると変わってくる可能性があります。そしてもうひとつわかりにくいのが「濃厚接触者」ということです。「濃厚接触者」には定義というものがありません。個別に判断していくしかないのがわかりにくくしている原因です。報道などでは「濃厚接触」とかいう言葉がよく使われていますが、イメージとしては何となく理解できてもじゃあ説明してとなると難しいのです。感染対策の場では、一人一人の状況を分析して、例えばマスクをして対応していたのかとか、密室であったかとか、部屋の広さは?とか、どれくらいの時間接触していたか?とかいちいち評価して決めます。しかも「濃厚接触者」と「それ以外」というのではなく、同心円状に接触密度を層別化して対策を立てるのです。
感染経路は飛沫感染とされています。2m以上離れていれば飛沫がかかることがないので感染リスクは低いのですが、問題は間接的な接触感染です。つまり感染者が咳をしたりくしゃみをしたりしてその飛沫が手に付き、その手で物を触ってウイルスが付着し、その物を触れた手で鼻や口の周りを触ることによって感染が伝播するものです。ちょっと意識してもらったらわかりますが、人間は気が付かないうちに結構頻回に顔周辺に手をもって行っています。だからこそ手洗いが感染予防のために重要なのです。またマスクをすると顔に手をもっていく頻度が減るのでそういう意味ではマスクも有用です。
マスクは以前に述べましたが、要は適切に使うことが大事です。報道などでは検疫に当たる人がよくN95マスクをしている様子が流れたりしますが、N95マスクは飛沫感染対策ではなく空気感染対策用です。つまり今回の新型コロナウイルス感染症にはN95マスクは過剰とも考えられます。2009年の新型インフルエンザの時も当初はN95マスク対応で防護具に身を包んでいました。なぜそうするのでしょう?一つは当初は感染経路が特定できないからです。飛沫感染と決めつけていると実は空気感染もすると後でわかってもそれでは後の祭りですから。もう一つはもちろん自分の身を守るためですが、実はこれは自分が感染源にならないためにするのです。感染を制御する側が感染を拡げる側になってしまっては洒落にならないからです。飛沫感染対策にはサージカルマスクでOKです。
それにしてもほんとに過剰なマスク熱ですね。
感染対策は一つのことだけで成り立っているわけではありません。手洗いもそうマスクもそうです。マスクを求めて大勢の行列が並んでいる薬局に行くとか何軒も薬局などを渡り歩く、マスクはしないけれど不要不急の外出はしない、どちらのリスクが高いのでしょうか。
最後に検査のことについて話してみたいと思います。現在新型コロナウイルスの検出はRT-PCR法で行われています。インフルエンザなどで用いられている抗原抗体反応を用いた迅速検査よりもかなり感度・特異度は高いと思われます。つまり感染者と非感染者をきちんと分けることができ、かつ誤診の確率は低いと考えてよいと思います。
今回最も違和感を感じたのは無症状の方を検査してしまったことです。RT-PCR法とは言っても陰性だから感染していないというお墨付きを与えたことにはならないという大原則を破ってしまったわけです。チャーター機による帰国者にせよクルーズ船の乗員乗客にせよ全員検査せよと考える向きがあったのは残念です。ましてや検査を受けなかった人を糾弾するような発言はすべきではありません。無症状の人に対してするべきことは、検査の結果に関わらず健康監視をすることと万一発症した場合のことを考えて可能な範囲で感染を拡げない工夫を一定期間、つまり潜伏期間の間はするように勧奨することです。これは検査結果が陰性であっても変わらないことです。クルーズ船の乗客への電話インタビューの中である人が「なんなら潜伏期間の間船に閉じ込めてもらっても構わない」と言っておられましたが、本当はそれが理想なんだと思います。この手の検査は陽性か陰性かで結果がわかり、陽性ならウイルスがいる陰性ならウイルスはいないという表現をするものですから誤解を招きます。検出限界というものがあり、ウイルスがいても一定の濃度以下であれば陰性と判断されますし、また大きな要素として検体の質(取り方と言った方がわかりやすいかもしれません)というものにも大きく影響されます。検査が陰性なら無罪放免とすることが感染対策上最大の失敗を招くのですから、無症状者は検査してはいけないのです。これはインフルエンザやノロウイルス胃腸炎の治癒の証明に検査を要求することには意味がないばかりか感染対策上決定的な過ちを犯しているのと同じです。

川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦先生のインタビューが載っていますので、是非読んでみてください。
岡部先生インタビュー

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/ncov2019-okabe?sub=0_124045626


最後に東日本大震災の時も今回以上にそうでしたが、報道が無秩序に流されっぱなしです。良いことも悪いことも、有用なことも害になることも、不安を煽ることも冷静な判断を促すことも、まさに玉石混淆です。情報が取捨選択されずに洪水のごとく流されてくる現代では、情報を受け取る側の私たちが賢明にならなければいけないと痛感します。

2020年2月5日 小松
2019/11/07

令和元年度後半期救急医療

遅くなりましたが、令和元年度後半期の舞鶴市の救急輪番をuploadします。
当院は令和初の正月がかなり大変そうです。
どうかインフルエンザや腸炎は流行りませんように!!

救急輪番令和1年後半期